メッセージアプリ「LINE」で利用するスタンプを、自分で制作して販売できる「LINE Creators Market」。幅広いクリエイターが制作する特徴あるスタンプが人気になるなど注目を集めているが、その実態はどのようになっているのだろうか。11月26日に開催された「LINE Creators Stamp AWARD 2014」の様子から探ってみよう。

クリエイターズスタンプの現状は?

 群雄割拠のメッセージアプリの中にあって、LINEが人気を獲得した要因の一つに上げられるのが「スタンプ」だ。多彩な表情を見せるユニークなキャラクターの画像スタンプを送りあうことが人気となり、LINEの注目度を大きく押し上げたことは確かだ。現在は多くのメッセージアプリがスタンプの仕組みを採用するに至っているのに加え、Facebookがコメントにスタンプを利用できる仕組みを提供するなど、他のアプリやサービスにも大きな影響を与えている。

 LINEのスタンプの提供形態は以前、LINE自身がユーザーに直接販売する「公式スタンプ」と、企業のブランディングのため、その企業のキャラクターなどをスタンプにして配信する「スポンサードスタンプ」の2種類に限られていた。だがより多彩なスタンプが利用したいというユーザーの声や、LINEのスタンプを作りたいというクリエイターの声を受け、誕生したのが「LINE Creators Market」になる。

 これは要するに、LINE用のスタンプを自分で作成し、直接販売できるプラットフォームのこと。LINEのアカウントを所有していれば個人・法人問わず誰でも参加可能で、販売価格はスタンプ1セット当たり100円。そのうち50%が手数料としてLINE側に差し引かれ、残り50%がクリエイターの収入となる。

 スマートフォンアプリと比べると差し引かれる手数料のパーセンテージが高く、販売価格を自由に決められないなどのデメリットはある。だが参加するためのハードルは低く、また多くの人の目に触れるLINE上で直接販売できるメリットがあることから、LINE Creators Marketに参加するクリエイターは急増している。LINEは今年の4月17日にクリエイターとスタンプの受付を開始し、11月7日時点では既に約27万人のクリエイターが登録。LINE上で配信されているクリエイターズスタンプの数も、3万セットに上るとのことだ。

 しかも、クリエイターズスタンプの販売総額は35億9000万円に達し、サービス開始後上位10位のスタンプ平均販売額は3680万円に上る。販売額1万円以上のスタンプも、クリエイターズスタンプ全体の40%を超えているとのことだ。加えて人気スタンプは書籍化されたり、グッズ化されたりといった展開を実現しており、クリエイターには収益面でも大きなインパクトがある。

LINE Creators Marketへの登録数は27万に達する上、人気スタンプ上位10位の平均販売額は3680万円にも上る
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LINE Creators Marketへの登録数は27万に達する上、人気スタンプ上位10位の平均販売額は3680万円にも上る
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LINE Creators Marketへの登録数は27万に達する上、人気スタンプ上位10位の平均販売額は3680万円にも上る