スマートフォンアプリで今年大きな盛り上がりを見せた分野の一つに、いわゆる「フリマアプリ」がある。楽天が新たに「ラクマ」でフリマアプリに参入するなど新しい動きも出てきている。ネットオークションがある中、スマートフォンでフリマアプリはなぜ大きく伸びているのだろうか。その背景からは、アプリビジネスをする上で非常に重要なポイントが見えてくる。

楽天が参入するなど盛り上がりが続くフリマアプリ

 インターネット上における個人間取引(C2C)関連のサービスは古くから存在しており、ヤフーの「ヤフオク!」に代表されるオークションサービスがよく知られている。そのC2Cの分野で今年大きな注目を集めたのが、いわゆる「フリマアプリ」だ。

 フリマアプリについては本連載でも過去に何度か取り上げているが(関連記事:第108回 フリマアプリが生み出すスマートフォンECの新しい潮流)、改めて内容を簡単に説明しておこう。フリマアプリは「フリマ」の文字通り、出品者が提示した価格で商品を落札できる、C2C関連サービスアプリのこと。オークションのように落札価格を競って値段が上がったり、入札後一定期間待ったりする必要がなく、スピーディーに商品の売買ができるのが大きな特徴だ。

今人気のフリマアプリに、楽天も「ラクマ」で参入することを発表。11月25日のサービス開始を予定している
今人気のフリマアプリに、楽天も「ラクマ」で参入することを発表。11月25日のサービス開始を予定している
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 フリマアプリに類するC2CのWebサービス自体は過去にも存在したが、人気を獲得したのはスマートフォンでアプリ化されて以降となる。フリマアプリの代表的なサービスの一つ「メルカリ」が既に500万ダウンロードを獲得していることからも、その人気をうかがい知ることができる。ちなみに利用の主体となっているのは若い女性であり、オークションとは異なるユーザー層を獲得している。

 フリマアプリに参入する事業者は現在も増え続けている。最近の大きな動きに上げられるのは、楽天が11月17日にフリマアプリ「ラクマ」を提供すると発表したことだ。ラクマではフリマアプリならではの手軽さに加え、楽天スーパーポイントが利用できるなど楽天の他のサービスとの連携や、「楽天オークション」など他のC2Cサービスで培ったノウハウを活かしてユーザー獲得を目指している。