2015年3月17日、任天堂とディー・エヌ・エー(DeNA)が資本業務提携を結び、任天堂の保有するキャラクターを使ったゲームを、年内をめどにスマートフォンやタブレット向けに開発すると発表した(関連記事:任天堂、DeNAと資本提携し“スマホ解禁”へ)。なぜ任天堂はDeNAと提携し、スマートフォンゲームへの参入へと至ったのか。そして任天堂がスマートフォンに乗り出すことは、マーケットにどれだけの影響を与えるのだろうか。

任天堂がDeNAと資本・業務提携を結んだことが話題に

 App StoreやGoogle Playといったスマートフォン/タブレット向けのマーケットで配信されているアプリで、ビジネスの中心となっているのはゲームだ。各アプリマーケットの売り上げランキングを見ると、ゲームがランキング上位の大半を占めていることがわかる。

 スマートフォン向けアプリ市場で急拡大したゲームアプリは、スマートフォンの外にも大きな影響を及ぼしている。ゲーム業界全体でスマートフォンゲームの存在感が高まっていることが、その事実を物語っている。

 傾向を示す調査事例として、CyberZとシード・プランニングが実施したスマートフォンゲーム市場動向調査を見てみよう。2013年のスマートフォンゲーム市場規模は5468億円と国内ゲーム市場(1兆1036億円)の約5割を占めるに至ったという(写真1)。

写真1●CyberZとシード・プランニングの国内スマートフォンゲーム市場規模調査では、国内ゲーム市場の約5割をスマートフォンが締めているという
写真1●CyberZとシード・プランニングの国内スマートフォンゲーム市場規模調査では、国内ゲーム市場の約5割をスマートフォンが締めているという
[画像のクリックで拡大表示]

 それゆえ最近では、コンシューマーゲームを主体とするゲームメーカーが、スマートフォンゲーム市場に力を入れる動きを見せている。スクウェア・エニックスやバンダイナムコゲームスといった大手ゲームメーカーが、多くのゲームアプリをスマートフォンに向け投入し、実績を高めてきている。