グーグルは2015年2月26日、Google Playのアプリストア上で、ユーザーがアプリを検索した時の検索結果に広告を表示する仕組みを導入すると発表した。対象が検索時のみとはいえ、広告が一切なかったアプリマーケット上に広告が導入されることは、非常に大きな意味を持つと考えられる。

Google Playに検索連動型広告が登場

 アップルのApp StoreとGoogle Playにはそれぞれ、100万以上のアプリが登録されているといわれている。登録アプリ数が大幅に増えたことから、以前より新しいアプリがダウンロードされにくくなり、“埋もれ”やすくなっているとの指摘が絶えない。

 アプリマーケットを運営する側も、インタフェースを変更したり、多様な特集を組んだりするなどして、良質なアプリを多くの人に伝えるための取り組みを続けている。だがそれでも、増え続けるアプリに対する対応は十分とはいえない状況にあり、アプリを開発・提供する側から不満の声が少なからず上がっている。

 そうした状況を見越してか、新たな手を打ってきたのがグーグルだ。グーグルはGoogle Playのアプリストアに広告を掲載する計画を発表した。具体的には、キーワード検索した際に表示される検索結果の最上位に広告主のアプリを表示し、目立たせるという仕組みだ(写真1)。広告となるアプリには“Ad”というマークを付けることで、通常のアプリとの区別がつくようにするようだ。

写真1●Google Playで展開される予定の検索連動型広告(Android Developers Blogより)検索キーワードに基づき(画面左では「hotel apps」)、キーワードにマッチした広告が表示される(画面右)
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写真1●Google Playで展開される予定の検索連動型広告(Android Developers Blogより)検索キーワードに基づき(画面左では「hotel apps」)、キーワードにマッチした広告が表示される(画面右)
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写真1●Google Playで展開される予定の検索連動型広告(Android Developers Blogより)検索キーワードに基づき(画面左では「hotel apps」)、キーワードにマッチした広告が表示される(画面右)

 これは、Webサイト検索でいうところの検索連動型広告の仕組みをアプリマーケットに導入したものといえる。広告なので、当然広告を掲載する側はグーグルに料金を支払う。それでも、単に公開するだけでは多数のアプリの中に埋没してしまう中で、アプリを目立たせられる広告という手法は、アプリを提供する側に大きな変化をもたらすことに間違いない。

なぜ、グーグルはアプリマーケットに広告を導入したのか

 アプリマーケットに登録されるアプリが増加し、その中でアプリの埋没してしまう問題が顕著になって以降、アプリ提供者の多くはプロモーションの手段をマーケットの外に求めるようになった。「リワード広告」を使ってアプリのダウンロード数を増やし、マーケット上のランキング順位を上げる「ブースト」や、テレビCMによるアプリのプロモーションは、その典型的な例といえるだろう(リワード広告とブーストについては、関連記事参照)。