ワイモバイルは2015年2月27日、グーグルのテレビ向けプラットフォーム「Android TV」を搭載したセットトップボックス「Nexus Player」を発売した。スマートテレビの登場以降、再びテレビにインターネットサービスを取り込む動きが進んでいる中、テレビに向けたアプリを開発・提供する際に求められる要素とはどのようなものなのか。

国内でも「Nexus Player」が発売開始

 グーグルは開発者向けのカンファレンス「Google I/O 2014」で、自社のプラットフォームであるAndroidを、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス以外にも広げる取り組みを発表した。スマートウォッチなどウェアラブルデバイスに向けた「Android Wear」は、既にいくつかの商品が登場している。さらにウェアラブルに続く動きとして、テレビに向けたプラットフォーム「Android TV」の商品化も進んでいるようだ。

 グーグルは、Android TVを搭載したデバイスの第1弾として「Nexus Player」の提供を始めている(写真1)。テレビのHDMI端子に接続して利用するセットトップボックスで、付属のリモコンを使ってGoogle Playや対応サービスの動画を視聴したり、ゲームなどのアプリを楽しんだりできる。Google Cast機能にも対応しているため、Nexus Playerを通じてスマートフォンやタブレットの映像をChromecastのようにテレビに表示することもできる(写真2)。

写真1●国内でも発売されるセットトップボックス「Nexus Player」
写真1●国内でも発売されるセットトップボックス「Nexus Player」
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●Nexus PlayerはAndroid TVを搭載し、動画配信やアプリなどを楽しみやすい仕組みを備える
写真2●Nexus PlayerはAndroid TVを搭載し、動画配信やアプリなどを楽しみやすい仕組みを備える
[画像のクリックで拡大表示]

 グーグルはNexus Playerを国内でもGoogle Playで販売する。さらにNexusシリーズのスマートフォンで豊富な販売実績を持つワイモバイルが、Nexus Playerを独占的に提供すると発表している。2月28日にはワイモバイルショップだけでなく、4月1日付けで合併予定のソフトバンクモバイルのショップでも発売した。

 さらに今後は、Nexus Playerのような外付けタイプのものだけでなく、Android TVを搭載したテレビも登場する。ソニーは、自社のテレビにAndroid TVを採用すると発表しており、シャープもAndroid TVの採用を表明した。国内でも、Android TVに対応したデバイスが増えていく可能性が高い。

 以前“スマートテレビ”が注目された時、インターネットに接続して各種サービスを利用できるテレビがいくつか登場したが、大きな成功を収められるには至らなかった。しかし最近になって、独自プラットフォームだけでなく、Android TVやFirefox OSなど、スマートフォンでなじみのあるOSがテレビに搭載されるケースが増てきたことで、テレビのインターネット連携に再び注目が集まっている。