近頃、急速に盛り上がりを見せているのが、「ウェアラブルデバイス」と「IoT(Internet of Things、モノのインターネット)」である。スマートフォンと密接な関係にあることから、スマートフォンアプリを作る開発者も高い関心を払っているはずだ。ただ一方でアプリを開発・提供する視点から見ると、期待できる部分と課題となる部分が見えてくる。

ウェアラブルデバイスとIoTが盛り上がる背景

 ここ数年、短期間のうちに広く普及し革新的な存在となったスマートフォン。最近になって進化が停滞傾向にあり、どちらかというと価格面で注目を集めることが多くなり、従来のような技術面での新機軸を目にする機会が減ってきたように感じられる。

 先進的なデバイスや技術を好む人たちの関心は、スマートフォンから新たなものへと移りつつある。その向かう先の候補の一つで、相次いでニュースが発信されているのが、いわゆるウェアラブルデバイスと、IoTの二つである(写真1)。

写真1●1月14日から開催された「第1回ウェアラブルEXPO」の基調講演の様子
写真1●1月14日から開催された「第1回ウェアラブルEXPO」の基調講演の様子
会場は満席に近い状態で、ウェアラブルデバイスやIoTなどへの関心が高まっていることが分かる
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 これらに注目が集まっている背景について、改めて簡単に振り返っておきたい。ウェアラブルデバイスは、多くのセンサーを持つコンピュータが小型化され、身に着けられるようになったことが大きい。そして、それを活用した新しい取り組みの実現に期待が高まっている。

 様々なタイプが存在するウェアラブルデバイスの中で、特に“スマートウォッチ”と呼ばれる腕時計型デバイスが、注目を集めている。2014年にはグーグルが、ウェアラブルデバイス向けのプラットフォーム「Android Wear」を提供し、いくつかのメーカーがこれを採用したスマートウォッチを発売した。2015年には、アップルの「Apple Watch」が春に発売されると一部報道がなされており、こちらも発売前から高い期待を集めている。