新人営業のD太君と先輩SEのM子さんは、今日、IoT(Internet of Things)をテーマとする展示会場に来ています。会場で、靴販売会社で商品企画を担当しているY主任とFさんの2人と遭遇し、場内のカフェで一休み。IoT時代のリスクとセキュリティ対策が話題となりました。

D太 先日納入させていただいた、販売動向分析システムの使い勝手はいかがですか?

Y主任 上々だね。商品企画に活用しているよ。

D太 よかった! ところで、Y主任とFさんもIoTに関心をもたれているんですか?

Y主任 もちろんさ。最近はセンサーを装着して走行距離や走行時間が計測できるスポーツシューズが登場しているからね。商品企画担当として、IoTのトレンドをきちんととらえておきたいと思っているんだ。

Fさん 私たちが扱っている靴だけでなく、時計とかメガネなどがウエアラブル端末になって、インターネットにつながる時代になっていますね。

M子 家電もインターネットにつながりはじめました。暑い夏など、帰宅する前にスマートフォンを操作して部屋を涼しくしておくこともできます。インターネットとの接続を通して、家電メーカーはより便利なサービスを提供しようと考えています。

Fさん 便利なサービスの登場は歓迎しますが、その一方でいろいろなものがインターネットとつながるとサイバー攻撃の対象が広がるのではないでしょうか?

Y主任 自動車もIoTの1つになるね。

M子 自動車には、ブレーキやエンジンなど運転機能を制御する車載コンピュータが搭載されています。そのコンピュータを、車内ネットワークで接続しています。車内ネットワークは閉鎖的なネットワークなので、外部から攻撃を仕掛けるには難易度が高いといえるでしょう。

 その一方で米国の大学関係者やIT関連企業に勤める技術者が、自動車の車内ネットワークにハッキングして、運転システムを乗っ取ることが可能だということを示す実験を行っています。その目的は自動車メーカーにサイバー攻撃対策を急ぐよう、警鐘を鳴らすことです。