新人営業のD太君と先輩SEのM子さんの今日の訪問先は、雑貨ショップを展開しているT社です。営業企画部のH主任とKさんに、「BLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンをO2Oツールとして採用してはいかが?」と提案したところ前向きな返事をいただきました。O2O(Online to Offline)のほかにも、観光情報の提供や空港内のスタッフ配置の最適化など様々な領域で、BLEビーコンの可能性を探る試みが立ち上がっています。

D太 こんにちは!

H主任 おっ、グッドタイミング!

D太 えっ、どうしたんですか?

H主任 小売業では、オンラインの世界とオフラインの世界を融合させて販売増大を図る「O2O(Online to Offline)マーケティング」が注目されている。当社でも、ショップの入口にやってきたお客様のスマートフォンに新着の商品を案内したり、クーポンや来店ポイントを配信したりできないかと、アイデアを練っていたところなんだ。

Kさん どうしたらそういう仕組みが実現できるのか、D太さんとM子さんに相談しようとH主任と話していたところだったんです。

D太 ビーコンを活用しましょう。

Kさん いきなりですね。そのビーコンって何ですか?

M子 ビーコンというのは、移動中の船舶や航空機が自分の位置情報を取得するための無線標識を指します。Bluetooth4.0という近距離無線通信技術を使ったBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンが登場したことによって、ビーコンをO2Oツールに活用する動きが広がっています。

Kさん なぜ、ビーコンがO2Oツールになるのですか?

M子 スマートフォンに、セールス情報やクーポンをプッシュするツールになるからです。アップルは2013年に発表したiOS7にBLEビーコン技術に基づくiBeaconを実装しました。Android OSも2014年春夏モデルのスマートフォンに搭載されているAndroid4.3で、BLEビーコンの利用が可能となっています。つまり、BLEビーコンはほとんどのスマートフォンで利用できる技術なのです。

H主任 どうやってビーコンをO2Oに活用するんだい?