新人営業のD太君と先輩SEのM子さんの今日の訪問先は電子機器を製造しているR社です。業績がよく社員も増加しているので本社ビルを建て替えるとの情報をキャッチ。F社長とIT担当のWさんに新本社ビルのICTインフラとして無線LANの採用を提案しました。

D太 本社ビルを建て替えられるそうですね。オフィスのネットワークは無線LANにしましょう!

F社長 唐突だね。その無線LANというのは何かね。

M子 LANはローカル・エリア・ネットワークの略で、オフィスや工場内のネットワークを指します。LANといえば、従来はイーサネットなど有線ネットワークが主役で、無線LANは脇役でした。でも、いま無線LANが企業ネットワークの主役の座を奪う勢いで普及しています。

Wさん 本当ですか?

M子 IDCJapanが、国内無線LAN機器市場の規模を調査しています。企業向けと公衆無線LANを向けの機器を合計した2013年の無線LAN機器市場は、216億1800万円。前年度比で24.3%も増加しているんです。中でも官公庁・教育機関を含む一般企業向けの売り上げは、前年度比51.8%増と大きく拡大しています。

 このところの国内のICT市場全体は、ほぼ横ばい状態です。無線LAN市場の成長率は、とても高いのです。この傾向は今後も続くと見られ、同社は13~18年の年間成長率を5.3%と予測しています。

Wさん IT業界としても期待が大きいですね。それで、なぜ無線LAN市場が成長しているんですか?

M子 背景にあるのは、タブレットなどスマートデバイスが猛烈な勢いでビジネスに利用されるようになってきたことです。

Wさん 弊社でも、Wi-Fiモデルのタブレットを導入しようと検討しています。経営幹部の会議には資料を紙に印刷して配布していたのですが、それを資料をタブレットに表示する方法に切り替えようと思っています。

M子 タブレットを持っていれば、社員は自席にいても会議室にいても必要な情報にアクセスできます。無線LANは、オフィス内モバイルを実践してワークスタイルを変革したい企業にとって必須の情報インフラです。

D太 IEEE802.11acという新しい規格が登場して、高速通信が可能になったことも、企業が無線LANに目を向はじめた大きな理由です。