新人営業のD太君と先輩SEのM子さんは、建設会社のG社を訪問中。IT担当のZ課長とAさんに提案したモバイルシステムが受注できそうな気配で、D太君は一安心。そして、話題はコード・フォーX(CfX)に移行しました。CfXは、地域の「困った」をITの力で解決しようという思いを持った市民が設立。その動きは全国に広がり、CfXの活動に新しいビジネスを生み出す可能性を感じるIT企業が、関心を寄せています。

Z課長 提案してもらったシステムなら、営業担当社員の機動力を高めることができそうだな。欲を言えば、もっと初期費用を低減できるとありがたいね。

M子 承知しました。その観点から再度検討します。

D太 ところで、Z課長はこの春から単身で赴任されているんですよね。もう慣れましたか?

Z課長 最初は戸惑ったよ。とくにゴミの出し方がわからなくてね。

M子 ゴミの分類法や収集日は自治体によって違いますからね。

Z課長 そうそう。役所のホームページを何度も見て、やっとわかってきたところなんだ。

M子 実は、Z課長のように引っ越したばかりで、ゴミの出し方に戸惑う住民の力になろうと開発されたスマホアプリがあるんですよ。

Z課長 えっ、本当に?

M子 はい、「5374(ゴミナシ).JP」というアプリがそれです。スマホの画面にゴミの分類や収集日が表示され、出したいゴミを選択してタップすると具体的なゴミの一覧が示されるんです。もちろん、次の収集予定日も。

Z課長 それは便利だ!

Aさん そのアプリは自治体が開発したものなのですか?

M子 ITの力で地域の課題を解決しようという市民が、コード・フォー(Cf)Xという組織を立ち上げています。「5374.JP」はその1つ、Cfカナザワが開発したアプリです。

Z課長 そのCfXというのはいったい何?

M子 コードとはプログラムのことを指し、Xは地域を指します。お手本は米国のCfアメリカです。その動きに刺激を受けた日本のIT技術者たちが、各地でCfXが設立しています。実は私も、あるCfXのメンバーとして活動しているんですよ。

Aさん へー、カッコイイ! ところで日本全国にCfXが発足しているということですが、ゴミの出し方アプリのほかにも成果が生まれているのですか。

D太 日本では北海道から沖縄まで、30近くのCfXが誕生しているといわれています。その中の一つ、Cfサッポロという組織は、保育園や幼稚園が一覧できる保育園マップを作成しています。自宅や勤務先あるいは最寄り駅の近くにある施設が、パッとわかるのが特徴。施設にポインターを当てると、受け入れ状況も表示されるんです。

Aさん 待機児童の解消に役立つといいですね。