今回は、第150回のコラムで紹介した、スタンフォード大学における新クラス「国防のためのハッキング」の最終講義を受けての投稿になります。同クラスは多くの学生の関心を集め、早くも継続が決まったようです。(ITpro)

 スタンフォード大学で開催した「国防のためのハッキング(Hack for Defence=H4D)の10回目にあたる、最終クラスを終えたばかりです。参加した8つのチームは、「学んだこと」についてプレゼンテーションしました。

 この最初のプロトタイプのクラスが、これほど上手くいったことに驚きました。半分以上のチームが、クラスが終わった後も国家安全プロジェクトを継続することにしたのです。他の大学も次々と、このクラスを教えたいと手を上げてくれました(本投稿は、H4Dクラスのまとめです。今回のクラスには、多くのプレゼンテーションが含まれているのでこちらを参照下さい)。

このクラスの目標は、何だったのでしょう?

 本クラスの目標には5つがありました。最初の目標は、世界が混乱と不安定になっているなかで、緊急性をもって迅速に決断するため、学生が起業家として必要な、心構え、順応性、機敏さ、回復力を身に付けることでした

 2番目の目標は、学生が国家奉仕をする際、起業家としての資質を発揮することを教えることです。今日、学生が米国に恩返しをしたいとき頭に浮かぶのは、「Teach for America」「Peace Corps」「Americorps」「US Digital Service」「GSA's 18F」です。国防省や諜報機関、そのほか連邦政府機関で世界を安全にする機会を考える学生はほとんどいません。

 3番目は、このクラスのスポンサーである、国防省(DOD)と諜報機関(IC)内部のイノベーターに、急速に進展している「非対称の脅威」を理解し、より効果的に対応するための方策の存在を教えることです。リーン手法を使って、実際に起こっている問題を迅速に発見できれば、問題解決に必要な項目をすぐに明確にでき、国防省の調達プログラムがスピードと緊急性を持って活動し、必要な解決策を迅速に提供できるのです。

 4番目は、一般の学生が問題を理解して、その解決策のプロトタイプを早急に作り、有意義な貢献ができることを、国防省/諜報機関のスポンサーに証明することです。