今回の投稿は、ニューヨーク大学の卒業生向けスピーチの再録です。スピーチはブランク氏の人生観に基づいたもので、職歴を重ねる1万4000日を、どのような心持ちで迎えれば良いのかを端的に語っています。(ITpro)

 この著名なニューヨーク大学(NYU)工学部の卒業式で、卒業生の皆さんにお話しする機会を与えられたことに感謝します。皆さんの人生における、記念すべき出来事をお祝いできることを光栄に思います。

 皆さんの人生には、既に多くの記念すべきことがあったでしょう。何かを始めた第一歩、初めてのキス、運転免許の取得、そしてこの卒業式などです。そしてこれから、数々の記念すべき出来事が訪れるしょう。最初の就職、結婚、家の購入、子供の誕生、昇格、起業、定年、そして卒業式での講演(笑)。

 今年の卒業式のスピーチの33%で、280万人の卒業生は、「自分の道を歩みなさい」、「他の方々から学びなさい」、あるいは根強く人気のある「あなたは世の中を変えられるのです」といったことを聞くでしょう。

 これら全ては大切なアドバイスです。実は、私も同じアドバイスを皆さんに送ります。しかし、これら講演では、どうして そのような情熱と緊急性で、皆さんに話しているかを伝える講演者たちはほんのわずかでしょう。

 ですから、皆さんの卒業式を祝うと同時に、私たちがなぜ祝うのかを説明します。

 私が若かったとき、日曜学校で学んだ格言で、私が一生忘れない詩編の一節があります。それは「私たちの生きる日数を数えることを教え、本当の知恵を得させてください」というものです。それを学んだときから、私は一連の興味のある職業に就きました。米国空軍の技士、技術解説書の著者、マーケッター、起業家、CEO、そして今は教育者でメンターです。

 しかし、この考えを忘れたことはありません。私たちの大多数は、2万8762日(79年)目を覚ましますが、ある日、目を覚まさなくなる、ということです。

 ということは、皆さんには2万1000日(58年)残っており、そのうち1万4000日(39年)は職務に就いています。では、緊急性について説明しましょう。

 私が創業した全てのスタートアップ企業も、私が開設した全ての新しい講義も、私が教えた全てのことも、残り人生の日数を知っていると、「毎日一生懸命生きよう」という言葉が新しい意味をもたらしたのです。