米国では2011年以降、年率50%以上の成長を続けるマーケティングオートメーション(MA)市場であるが、今年は国内においても複数のMAツールベンダーが日本市場での本格的な販売を開始し、大きな注目を集めている。

 本連載では以前から、MAのコンセプトについて解説してきた。いよいよ日本においても取り組みが本格化することを踏まえ、より実践的な内容に踏み込んでいく。今回は改めて「MAとは何か?」を振り返りながら、成功のポイントがどこにあるかを解説していきたい。

リードを生むだけでは売り上げは増えない

 まずは少しおさらいをしておこう。本連載の「第1回 マーケティングの自動化で売り上げを最大化する」でも述べた通り、マーケティング活動(特にB2B)の目的の1つは、「潜在顧客を営業活動に値するだけの見込み顧客に発展させること」である。

 単純な商材を除けば、潜在顧客ごとにニーズや課題、タイミングは異なる。このため、ワン・トゥ・ワンでの対応をきめ細かくすれば、見込み顧客の増加が実現できるはずだ。数十件の潜在顧客であれば手動で対応することも可能かもしれない。しかし、数千件や数万件規模の潜在顧客に対しては難しい。