そこで、営業がクローズまで持って行けなかったリードに対して、再度デジタルを活用して継続的な接点を持ち、掘り起こすことがマーケティングオートメーションの重要な成果として期待される。そのためにSFA/CRMと連携して「しばらく放置リード」を検知し、フォローを継続することが大切になる。

理由2
ROI(投資対効果)算定なくしてマーケティングオートメーションの本質的な成果は計測できない。

 マーケティングオートメーションツールが高いスコアを示しているリードを営業部門に引き渡せば、それで終わりではない。引き渡したリードが、その後「アポがとれただけなのか」「商談まで至ったのか」「受注できたのか」という結果までを計測し、ROIの算定につなげることが重要だ。どれだけ営業に貢献できたのかを計測できれば、マーケティング投資の成果にも説得力があるだろう。

 営業部門に引き渡ったリードがその後どうなったのかを、常にマーケティングの成果(「ROI」の「R」の部分)として換算できるようにするためには、何らかの形でSFA/CRM上の商談データと連携し、Eメール配信などのマーケティング活動とつなげることが求められる。

 以上のような2つの理由から、導入初期フェーズとしてSFA/CRM連携を行わずに始めることは良いとしても、将来的に大きな成果につなげるためには、連携が非常に重要な役割を担うと考えるべきだろう。

田島 学(たじま まなぶ)
アンダーワークス代表取締役社長
田島 学(たじま まなぶ) 早稲田大学政治経済学部卒。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て2006年4月にデジタルマーケティングのコンサルティング会社アンダーワークスを設立。