弊社では上記の質問に対して、「技術的には可能だが、成果を測定するという意味ではSFA/CRMとの連携は必須である」とお答えしている。技術的に可能というのは、多くのマーケティングオートメーションツールは、SFA/CRM同様に顧客データを格納することができ、リードのスコアリングを行うことは不可能ではないという意味だ。

 だが、これはプロジェクトの初期フェーズとして実験的に行なうものであって、実際にはSFA/CRMとの連携なくして大きな成果は出しにくい。その理由を考えてみたい。

理由1
マーケティングの役割は、1度営業部門にリードを引き渡してからも大きなウェイトを占める。

 多くのBtoB業態/高関与商材において、営業が1度商談しただけでクローズ(受注)できる確率は高くない。いったんホットになって真剣に検討まで進んだものの、実際に購買には至らず、数カ月後、数年後に検討を再開するというケースは多い。したがって長いスパンの継続訪問も重要となる。

 ところが、営業部門としてはやはり直近受注に近いものから、時間を費やす必要がある。四半期や半期のノルマや目標を達成することは重要だ。そのため「また今度」となったリードを追い続けることの優先度は自ずと低くなる。来期以降のものはいったん放っておく、となりがちだ。

 購買意欲が見られないためフォローを止めてしまった見込客のうち80%は、2年以内に競合企業から製品を購入している(米Sirius Decisionsの調査より引用)。これは極端な調査結果かもしれない。だが、フォローを止めてから競合に案件を持っていかれて悔しい思いをした経験を持つ営業マンは、少なくない。