前回は顧客をつかむグロースハックの手法について解説した。潜在顧客を呼び寄せることに成功したグロースハッカーは、次は自社のサービスをスムーズに利用してもらう状況をすばやく作り出す必要がある。

 今回は、「IQON」「PlanBCD」という2つの事例を通じて、そのヒントを得たい。

IQON(ファッション・コーディネート・アプリ)

 登録会員数100万人を超えるファッション・コーディネート・アプリ「IQON」は、毎日のファッションのインスピレーションになるコーディネートやトレンドのアイテムが確認できる。気になるアイテムがあれば、「ワンタップで」外部ECサイトで購入できる。

 IQONを運営するVASILY代表取締役の金山裕樹氏によれば「iQONはファッショントレンドが分かる、欲しくなる、買える、そういう自分から動きたくなるメディア」という特徴を持っているそうである。

 実際にアイテム購入ボタンは月間100万タップに到達、IQONユーザーからの売上が1億円を超えるECサイトも出現している。

 このアプリは、スマホユーザーのニーズ・特性を踏まえた設計がなされているが、特筆すべきは「直感的なタップ操作で、コーディネート閲覧⇒アイテムの仕様・価格閲覧⇒外部ECサイトでのアイテム購入が、ごく短時間で完了するUI/UX」にあると思われる。

 おそらくはじめてこのアプリを利用するユーザーでも、容易に操作できるであろう。結果として多くのアクティブユーザーの獲得につながるのではないか。