こう考えるとマーケティングオートメーションツールそのものにログインし、キャンペーンやスコアリングを設定したり、Webフォームや電子メールを作成したりする業務は、ほんの一部に過ぎないことに気づくだろう。

 むしろ、マーケティングの成果を得るのに重要なことは、マーケティング戦略やカスタマージャーニーの策定や効果測定の部分にも思える。しかし、こうした業務を自社でしっかりやれている企業は、実はあまり多くないのではないか。上記3の「必要なコンテンツの作成」は、多くの企業がアウトソースしているのが実際だ。

 そのような環境で、上記4の「マーケティングオートメーションツールへの実装や設定」の部分だけを自社で実施することにこだわるのは、果たして意味があるのだろうか。

No Marketing, No Automation.
マーケティングなくして、オートメーションなし

 これは、マーケティングオートメーションへの取り組みが失敗する際の表現として、米国でよく言われているものだそうだ。オートメーションツールだけを使いこなせるようになっても、成果は上がらないというわけである。

 重要なことは、マーケティングオートメーションツールを使いこなすことではない。ツールを手段として、マーケティングの成果を上げることだ。

 だとすれば、「どんなデータを基にセグメントし、どんなコミュニケーションが必要か?」「施策の効果をどんなKPI(重要業績評価指標)で測っていくべきか?」といった本来のマーケティング部分の加速にフォーカスし、ツールそのもの運用はベンダーにお願いするといった考え方も重要なのではないだろうか。