これが自動車?Google自動運転車プロトタイプを見た時の印象だった。ディズニーランドから抜け出してきた、玩具のように思えた。同じ自動運転車でも、Lexusベースのモデルとは印象に雲泥の差がある。

 このプロトタイプが、シリコンバレー市街地を走行し、地区の夏祭りで展示された。日常生活とのかかわりが、ますます深くなってきた。プロトタイプに接して、自動運転車に対する考え方が大きく変わった。

街中での走行試験

出典: VentureClef
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 Googleはシリコンバレー市街地で、プロトタイプの走行試験を始めた。上の写真はその様子で、テストドライバーが二人搭乗し、市街地を繰り返し走行する。車体は丸みを帯びたシンプルな形状で、必要最小限のパーツで構成されている。余りにも単純化された形状で、一般車両との違いが際立ち、通りでひときわ目立つ存在だ。最高速度は時速25マイル(時速40キロ) に制限され、ゆっくりと走る。

 クルマを運転していて、プロトタイプと一緒に走る機会も増えた。プロトタイプの走行は普通のクルマと変わりはなく、ソフトウエアで制御しているとは思えない。安全に走行しており、一緒に走って不安は感じない。

 ただ、プログラムされている、と感じる場面もある。例えば、一時停止標識で止まり、左右の安全を確認して発進するが、かなり余裕を持って動き出す。人間だと発進するタイミングでは、プロトタイプは発進しない。すこしイライラすることもあるが、安全運転に配慮した設定になっていることが分かる。最終製品ではどう設定されるか分からないが、安全性と効率のバランスが求められる。いくら安全でも渋滞を引き起こしてばかりでは、社会生活に支障が出る。