銀行業務と人工知能は親和性が高いようだ。新興企業は大手銀行に先駆けて、ローン審査に人工知能を取り入れた。オンラインでローンの申し込みを受け、それを瞬時に高精度で判定する。クレジットヒストリーがない場合でも、申請者の適合性を的確に査定する。対象市場は米国だけではない。中国の巨大な潜在需要にも、注目しているようだ。

 人工知能が高度に進化することで、リーマンショックのような世界規模の金融危機を回避できるのでは、との期待も寄せられる。

Affirmという支払いオプション

出典: Affirm
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 新興企業から、人工知能を活用した金融商品が登場している。サンフランシスコに拠点を置く「Affirm」は、消費者向けに金融サービスを提供する。オンラインショッピングの決済で、消費者はクレジットカードで支払いできるほか、Affirmで分割払いができる(上の写真、左側)。若者層を引き込むため、サイトはお洒落にデザインされている。

 この画面でAffirmボタンを選択し、「Checkout with Affirm」にタッチする。Affirmは決済プロセスで、利用者の信用度をリアルタイムでチェックし、分割払いを提示する(上の写真、右側)。クレジットカードがなくても買い物ができるため、若者層に好評だ。

 最初にこのシステムを利用する際に、氏名、住所、生年月日、年金番号(個人を特定する番号として利用される)を入力し、口座を開設する。入力情報を元に、Affirmは人工知能を駆使して利用者の信用度を調査する。信用度が充分高いと判断すると、上の写真の通り分割払いの条件を提示する。支払い期間は、3カ月、6カ月、12カ月のオプションがある。

 このケースでは850ドルの買い物をし、3カ月の分割払いを選択した。毎月287.98ドル返済し、利率は年率換算で10%となる。利用者は毎月、デビットカードや銀行口座から返済する。小切手を郵送することもできる。