米国で、おサイフケータイ技術の進化が止まらない。Apple Payがこのブームに火をつけ、Googleが「Android Pay」でこれを追う。Android Payは一見するとApple Payのコピーに見えるが、アーキテクチャーは全く異なる。Google Walletで挫折を味わったGoogleだが、Android Payでリベンジを狙う。日本で誕生したおサイフケータイだが、米国で大きく成長し、日本市場をうかがう勢いだ。

Google版おサイフケータイ

出典: Google
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 Googleは2015年5月、開発者会議Google I/Oで「Android Pay」を発表した。これは、Google版おサイフケータイで、Apple Payに匹敵する機能を備える。カード決済機能だけでなく、会員カードと連携するとポイントが貯まる(上の写真左側)。アプリ内での決済機能もある(同右側)。従来のGoogle Walletは、おサイフケータイ機能を外し、ピアツーピア支払い(個人間での送金)サービスとして位置づける。これにより、Android PayとApple Payが、正面から衝突することになる。

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 Android Payの使い方は、Apple Payと同じ。スマートフォンをカードリーダーにかざすと、Android Payが立ち上がる。メッセージに従って、PINを入力するだけで処理が完了する。スマホをパワーオンしたり、Android Payを立ち上げる必要はない。別のアプリを使っている時でも、スマホをかざしてAndroid Payを利用できる(上の写真)。次期基本ソフトAndroid Mから指紋認証機能が導入されるので、Apple Payのように指を当てて認証できるようになる。