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木村岳史の極言暴論!

シェア経済に背を向ける「俺様仕様」、それでもうけるSIerは国を滅ぼす

木村 岳史=日経コンピュータ 2017/10/10 日経コンピュータ

 突然だが読者の皆さんは、今グローバルで急速に広がるシェアリングエコノミー(シェア経済)の元祖は何だと思っているだろうか。UberやAirbnbじゃないぞ。実はIT産業だ。もっと限定してソフトウエア産業やクラウド産業と言ったほうがよいかもしれない。

 ご理解いただけただろうか。もちろんUberやAirbnbのクルマや住宅のシェアリングモデルとは全く違うが、1つのソフトウエアを多くの企業や個人にシェアさせる。パッケージ製品の場合、客の数だけコピーを作るとはいえ、ソフトウエアのコードは1つだ。だから、多くの客にシェアさせることに成功したITベンダーは営業利益率40~60%といった“暴利”を享受できる一方で、客のコスト面での負担は少なくて済む。

 ただし、ソフトウエアコードのシェアと言うだけでは、かなり皮相なものの見方にとどまってしまう。より正確に言えば、優れた技術者たちの知見やノウハウ、アイデア、スキルなどをソフトウエアの形でシェアできるということだ。しかもそれをバージョンアップや機能・サービス追加という形でも享受できる。その意味ではOSS(オープンソースソフトウエア)はシェアリングエコノミーの究極形の1つと言ってよい。

 少子高齢化で人材不足が深刻化しつつある日本はもちろん、グローバルでも技術者のリソースが限られるなかにあっては、そうした技術者が生み出した成果物をリーズナブルな料金で、あるいは無償で利用できるのは、ソフトウエアの特殊性が成せる業とはいえ素晴らしいことである。技術者の知見やノウハウ、アイデア、スキルのシェアリングがあったからこそ、IT産業は他に類を見ないスピードで発展したわけだ。

 だが不思議なことに……おっと、今さら皮肉交じりに書くこともないが、日本のユーザー企業だけがITの優れたシェアリングエコノミーに背を向け「俺様仕様」のシステムを作らせて、大金をドブに捨てている。ドブに捨てられた大金を拾うのは人月商売の元締めのSIerだが、「俺様仕様」のシステムを作るために、今度は技術者という希少な人的リソースを大量にドブに捨てた。その結果、日本は今やIT後進国だ。

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