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木村岳史の極言暴論!

過剰サービスを強要する客を撲滅、SIerは連合キャンペーンを張るべし (3/4)

木村 岳史=日経コンピュータ 2017/03/21 日経コンピュータ

客はどんな場面でも厚かましい

 もちろん、宅配という世界に類を見ない先進サービスを生み出した業界の取り組みを、ろくなビジネスモデルを持たず、世界に類を見ないぐらい異常に発達した人月商売の多重下請け構造に安住する業界がマネできないのは、分かりきっている。ただ、IT業界も抜本的改革は無理でも、物流・宅配業界を少しは見習って、客から強いられる過剰サービス撲滅するキャンペーンぐらいは展開してもらいたい。

 で、過剰サービスとは何かだが、言うまでもない。契約書、SLA(サービス・レベル・アグリーメント)での取り決め以上のサービス、タダ働きを強要するサービスの類いだ。システム開発なら、プロジェクト途中での要件の膨張やブレに伴う仕様変更を、料金や納期を変更せずに何とかしろ、といったクレージーなものを筆頭に様々なパターンがある。いちいち書かないが、官公庁の案件などをイメージしておけばよい。

 システム保守・運用のフェーズでも、過剰サービスのオンパレードだ。金融機関あたりの案件が一番イメージしやすいと思うが、客先に常駐する技術者の長時間労働はすさまじい。IT部門の人に聞くと「最近は是正されつつある」と言い張るが、夕方に「あの件、明日の朝までに何とかして」などという、ふざけたオーダーが普通に出たりする。

 パッケージ製品の導入やクラウドサービスの利用でもしかり。国産のパッケージベンダーが呆れていたが、大企業なら導入にあたってタダでカスタマイズしろと要求したりする。メニューに無い長期バージョン固定による保守サービスも当然のように要求。SLAの範囲に納まる些細な障害でも、鬼の首を取ったかのように、山のような障害報告書(紙でなければならない)を持って謝罪に来いと言う。

 そう言えば、要件定義どころか覚書にもならないようなRFP(提案依頼書)しか出せないにもかかわらず、提案するITベンダーに提案料を支払わないのも、驚くべき面の皮の厚さだ。優秀な技術者を1カ月、場合によっては数カ月も貼り付けて、厳密な要件定義を基に提案書を作るのにどれほどコストがかかっているのか、客は省みることはない。いくらコンペであっても提案料を支払わないのは、IT以外の案件では考えられない話だ。

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