亀山 満・資生堂 情報企画部長 兼 資生堂情報ネットワーク 代表取締役社長(中央)と日高信彦・ガートナー ジャパン 代表取締役社長
亀山 満・資生堂 情報企画部長 兼 資生堂情報ネットワーク 代表取締役社長(中央)と日高信彦・ガートナー ジャパン 代表取締役社長
(左、写真:的野 弘路、以下同)

 グローバルビジネスを展開する日本企業は各国の事業部門はもちろん、IT(情報技術)部門においても横の連携を図らなければならない。

 資生堂はこの4月、ヨーロッパとアメリカのIT部門の幹部を日本に呼び、ITリーダークラスが一堂に会する会議を初めて開催した。

 亀山満情報企画部長兼資生堂情報ネットワーク社長は日本の部員に対し、「通訳は入れない。とにかく全員英語で。紙を読んでもいいから自分で説明しろ」と指示した。日本の部員はなんとか英語の会議を乗り切ったという。

 グローバル化と並行してIT部門には、事業部門の会議に加わり、IT利用について発言することが期待されている。前に出るIT部門の在り方について、亀山氏とITリサーチ大手、ガートナー ジャパンの日高信彦社長が語り合った。

(構成は谷島宣之=日経BPビジョナリー経営研究所研究員、中村建助=ITpro編集長)

日高:お客様の体験をより豊かにするためにIT(情報技術)をどう使うか、この点についてまず伺いました(前編参照)。それから日産自動車から資生堂に移ってこられた亀山さんのキャリアに関してお尋ねしました(中編参照)。そのキャリアを生かす仕事として、資生堂のグローバル展開の支援があると思いますが、現状はいかがですか。

亀山:今年のキーワードの1つはグローバルサポートです。世界89カ国で製品を販売していますから、まさしくグローバル企業です。2013年度実績を見ると、海外の売り上げは資生堂全体の売り上げの50.5%になっています。

日高:資生堂のブランドはしっかりしていますからね。