構造改革の荒波をともに乗り越えた大根田氏と長谷島氏。長谷島氏が大いに感謝しているのは、大根田氏が常に「信頼して任せる」という姿勢を採ってくれたことだという。

長谷島 いつか忘れましたけど、「最近さ、相談できるやつがいねえんだよな」という話を僕になさったことがありましたねえ。

大根田 そうそう。何か聞きたいとき、すぐ顔に思い浮かぶ人がいなくて。

長谷島 以前はシステムがこちらで、ビジネスはこっちと、そういう感じが全然なくて、何となく一緒くたにやっていた。「ビジネス」というものを真ん中に置いて、僕らはシステムの面から見る、大根田さんは経営の面から見て、フェアに議論ができたんですね。

 専門性というものが明確な領域になってしまうと、それぞれが「俺の囲い込んだところに入ってくるなよな」みたいになってしまう。大根田さんの場合は全然そうじゃなくて、普通に質問をしてくれて、普通に課題をくれたんですよね。これはとっても貴重だったですね、僕らには。