毎年10月と11月は、さまざまな業界の展示会、セミナー、ビジネスマッチングなど、各種イベントが目白押しになる時期だ。読者の方々は、いつもどのようなイベントに参加されているのだろうか?

 筆者はいくつかの異業種交流会に所属しており、IT関連以外の他業界のイベントにも参加する機会が多い。ただ一般的には、ITエンジニアはIT関連のイベントにだけ参加するケースが多いだろう。

 ITエンジニアの大半は業務上多忙であり、参加できるイベントの数は一つか二つが精一杯になっている。だが、時間的な制約で参加するイベントを絞るならば、むしろ食品、産業機械、医療機器といった、ITに関連しない他業界のイベント(ユーザー企業のエンジニアにとっては自社が属する業界のイベント)に参加してみてはどうだろうか。特にITベンダーのエンジニアに強くお勧めしたい。

 他業界のイベントを優先する理由はいくつかある。まず、IT関連のイベントで公開される製品や技術の情報は、大抵の場合、インターネット上でも収集できる。インターネット上での情報提供は、他業界よりもIT業界のほうが熱心に進めている。

 もちろん、インターネット上だけでは獲得できない貴重な情報も、イベントにはある。それはセミナーなどで聞ける、著名人や一流専門家の「生の声」だ。こればかりは参加しなければ得られないものだが、展示ブースの見学だけならば、情報を獲得するための代替手段はいくつかある。

 一方、他業界のイベントに参加するメリットは、大きく三つある。一つ目は、その業界の動向や製品などの情報を一度に収集できることだ。業務アプリケーションの開発に携わるITベンダーのエンジニアにとって、ユーザー企業の業界における最新情報を安価に入手できる貴重な場といえる。