米マイクロソフトが、Windows Phone端末「Lumia」シリーズのブランドをこれまでの「Nokia Lumia」から「Microsoft Lumia」に移行することを発表した。

写真1●マイクロソフトがLumiaシリーズのノキアブランドを廃止
写真1●マイクロソフトがLumiaシリーズのノキアブランドを廃止
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 2014年4月には、マイクロソフトによるノキアの携帯電話事業の買収が完了。その後もノキアのブランドで、Windows Phoneやフィーチャーフォンの新モデルを発表してきた。そのノキアブランドを廃止することになった経緯はどのようなものか振り返りつつ、今後の展開を予想してみたい。

スマートフォンによる世代交代の象徴となったノキア

 ノキアとマイクロソフトの関係が大きく変化したのは、2011年2月にさかのぼる。ノキアが次世代のスマートフォンプラットフォームとして、Windows Phoneを全面的に採用することを発表。2011年後半からは、次々とWindows Phone端末を発表した(写真2)。当時、ノキア初の外国人CEOとして就任したばかりのステファン・エロップ氏が、マイクロソフト出身者であることも話題を呼んだ。

写真2●ノキアがスマートフォンのプラットフォームとしてWindows Phoneを採用(写真は2012年2月のMobile World Congress)
写真2●ノキアがスマートフォンのプラットフォームとしてWindows Phoneを採用(写真は2012年2月のMobile World Congress)
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 多くの携帯電話メーカーがAndroidを採用する中で、なぜノキアはWindows Phoneを選んだのか。エロップ氏は、当時Android市場ではサムスンが確固たる地位を築いており、差異化が難しかったことを理由に挙げている。また、ノキアが開発を進めていた「MeeGo」も、市場投入の遅れを理由に断念したという。