「Ordermade&Remakeおはりこ」は1983年に創業し、鹿児島市の繁華街で事業を営むオーダーメードの婦人服専門店である。松村一家が家族で経営する同店は、ドレスのようなデザイン性の高い婦人服を製作する、演奏家のドレスや和服を洋服にリメイクするといった事業が中心になっており、以前は近隣の地方大手デパートから洋服のお直しの仕事も受けていた。

 オーダーメードの洋服には堅実なニーズがあるが、ファストファッションチェーン店の増加などで、業績は低迷している。消費者のハイブランドファッション離れもあり、デパートから受託していたハイブランド洋服のお直しの仕事もなくなった。

 負債を抱えこのまま事業を継続すべきかを悩んだ末、現場を任されていた娘の松村君香氏は、金融機関の経営無料相談会に赴く。そこで相談相手になった税理士から『今は厳しくても、貴重な技術を持っているのだから絶対に事業をやめてはいけない!』と励まされて紹介されたのが、鹿児島県よろず支援拠点である。

 よろず支援拠点は、国が中小企業・小規模事業者を支援するため、全国47カ所に設置している経営相談所である。「Ordermade&Remakeおはりこ」は、こうして、鹿児島県よろず支援拠点のサブコーディネーターとして活動していたITコーディネータの前田理子氏(2016年3月まで同拠点に所属)の支援を受けた。その結果、ホームページを活用したオーダーメードの婦人服の販促を実現し、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も松村氏が自ら活用できるまでになっている(画面1写真1)。ここではその概要を紹介しよう。

画面1●「Ordermade&Remakeおはりこ」のホームページ
画面1●「Ordermade&Remakeおはりこ」のホームページ
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写真1● 「Ordermade&Remakeおはりこ」の松村君香氏(ホームページより)
写真1● 「Ordermade&Remakeおはりこ」の松村君香氏(ホームページより)
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