9回にわたり「世界で活躍したいなら、外資系の実態を知っておこう」と題して、外資系企業の実態、優位点、リスク等について書いてきた。今回は、シリーズ最後のまとめとして、読者から寄せられた質問にお答えしたい。

将来のために転職したい

質問1.現状の将来展望がみえない状況を打開すべく、外資系に転職したい。
(日本の大手IT企業でシステムズエンジニアをしている30代前半の男性からの質問)

 新卒で入社以来、自分でいうのもなんですが、真面目に仕事をしてそれなりに成果を上げてきたと思います。最近、将来のことを考えると、このままこの会社で働き続けて良いのかどうか、真剣に考えてしまいます。

 一日平均12時間仕事をしていますし、休日出勤も多い。プロジェクトでトラブルが発生すると、徹夜もあります。

 同僚や先輩の中には、身体を悪くしたり、精神的に壊れてしまったりする人も多く、私自身も体力的にも精神的ににもきつくなってきて燃え尽きそうです。社内では、何となく「健康を損ねてしまうと使い捨て」的な雰囲気がただよっています。明日は我が身で、とても不安です。

 上司をみていると上のポジションに行っても、給料がそれほど上がるわけでもなく、ストレスばかりきつくなるようで、自分の将来展望が見えません。とにかく、現在の環境を変えようと転職を真剣に考えています。年をとれば難しくなってくると思いますので。

 同じような日本企業に行っても状況は変わらないと思いますので、ベンチャー系か、外資系に行こうかと思っています。漠然とですが、やはり将来を考えると、英語をマスターして世界で活躍するような仕事をしたいと思います。

 支離滅裂ですが、このような状況でどうすればよいのか、なにかアドバイスいただければ幸いです。よろしくお願いします。

 このような質問は、実に多くよせられ、アドバイスを求められる。

 会社の経営状況や仕事環境は非常に厳しいし、仕事も楽しくない。先輩や上司を見ても、将来に対する不安が湧いてくるばかり。この現状をどうにか打開したい。とはいっても、確たる自分の進むべき方向性が見い出せない。何をどうすればよいのだろうか。MBAを取るか、転職するか──。