日本の少子高齢化、国内市場の縮小は現在も進んでおり、今後その影響はだんだんと現象として表れてくる。これは、誰もが認識していると思う。
日本企業、特に製造業の地盤沈下は、すでに10年以上前から指摘されている。だが「とは言うものの、まだまだ大丈夫だろう」という問題先送りの雰囲気が蔓延しているように思う。
しかし、ここに来て「まだまだ大丈夫」から「そろそろ本当にマズイぞ」へ意識が変化してきているのではないだろうか。トップレベルの有名大企業であるシャープが、台湾の企業に買収されることが現実となってからは、特にそう感じる。
今までは、日本でビジネスを展開している「外資系企業」は、ほとんどが欧米企業で、特に米国企業が多かった。今後は中国、台湾、インドなどの欧米以外の外資系による日本企業の買収が増加し、外国人と共に働く機会が間違いなく増えるだろう。
今回から数回にわたって、こうした内外のグローバル化に適応し、活躍するための基本について書いてみたい。
そもそもなぜいま「グローバル」なのか
「これからのグローバル時代に適応するために、グローバルなスキルを身につけよう」「グローバル人材として自分の価値を上げていこう」「グローバルマーケットで、ビジネスを伸ばしていこう」──というように「グローバル」という言葉は、日本で日常的によく使われる。いささか聞き飽きた感もある。
今まで数十年にわたり、ソニー、トヨタ、パナソニックのような日本を代表する企業は、「グローバル」=「世界的」にビジネスを拡大してきた。それにも関わらず、なぜこの10年ほど「グローバルビジネス」とか「グローバル人材」というように、「グローバル」という言葉を頻繁に使うようになってきたのだろうか。
それには、3つの理由があると思う。