前回は、Aさんのキャリアについて説明した(関連記事:世界で活躍したいなら、外資系の実態を知っておこう(1))。大手電機通信メーカーを退社して、MBAを取得。その後、外資系コンサルティング会社で戦略系コンサルタントとして順風満帆な人生を謳歌していたが、突然うつ病になってしまったところまで語ってもらった。

 今回は、なぜうつになってしまったのかというところから、話を続けたい。

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順風満帆から奈落の底へ

 これはよくある話なんで、まさか自分もそういうことになってしまうとは思っていなかったんだけどね。

 最初のきっかけは、上司との衝突だった。

 その頃の僕は、社内でも大きなプロジェクトを担当し、仕事も絶好調でお客さんからの信頼も厚く、社内でのポジションも上がって年収も相当高額になり、有頂天になっていたんだ。自分では意識していなかったが、高慢で鼻もちならないヤツになっていたと思う。

 プロモーションして上司が変わったんだけど、その上司がバリバリタイプではなく、地味でおとなしいタイプだったんで、相当生意気な態度をとっていたと思う。仕事の進め方でも、素直にアドバイスを聞かなかったし、意見が衝突することが多かった。

 それに、グローバルチームとの連携で、海外のコンサルタントとのやりとりやプロジェクトの進捗管理、スケジュール調整でも、相当自分中心で強くゴリ押ししていたんだ。自分は、大きなプロジェクトを担当し、社内でのビジネス貢献度も高いという自負があったからね。

 振り返ると、社内でも「やってはいけない」ことばかりやっていた。顧客のスケジュールや要望が厳しかったという事情もあるんだけど、大きなプロジェクトであることを盾にして、社内でも「俺が俺が」と押し通していたんだね。