それでは、外資系企業に転職するためには、具体的にどういう行動を起こせばよいのか。

 具体的なプロセスは以下のようになる。

(1)職務経歴書を作成する

(2)LinkedIn、Web広告サイト等の募集情報をサーチして現状の求人マーケット状況を把握する

(3)どういう職種、ポジションでどういう分野の企業を狙うか戦略をたてる

(4)リクルーター、ヘッドハンターにコンタクトする

(5)外資系で働いている知り合いにコンタクトしたり、LinkedIn、Web求人募集にも応募する

 大雑把にいうとこのような流れになるだろう。

(1)職務経歴書を作成する

 まず、最初にやるべきことは職務職歴書を作ることだ。ちなみに、グローバル企業や外資系企業では職務経歴書のことを、「CV(Curriculum Vitae)」と略していう。

 日本で市販されている「履歴書」はA4で裏表4ページのものが多いが、通常外資系への応募では使用しない。職務経歴書は、A4で数ぺージにわたり学歴、経歴、職歴、自分自身の「売り」ポイントを明確に書いたものだ。

 第一段階の選考では、この職務経歴書がすべてだから、完璧に書かなければならない。詳しく記述した数枚ものと、一枚ものサマリー版の両方をつくっておくとよい。人事担当者は、最初に一枚もののサマリーをチラ見して第一段階を振り分けるものだ。

 みんな忙しいのだから、ダラダラと記述したものは読んでもらえない。簡潔明瞭にキーポイントだけを書くこと。

 また、英語版と日本語版の両方をつくっておいた方がよいだろう。というのは、外資系には、いわゆる帰国子女とよばれる人や、海外で仕事をしてきた人、外国人も応募してくるため、英語だけでなく、日本語もチェックする必要があるからだ。

 キーポイントは、ただ単に、何年どこそこの大学卒業、何年にどこに入社、退社、どういう名目のポジションだったかというだけではなく、以下に留意すること。

(a)その時に何を達成して、会社に対して具体的にどのような貢献をしたかを明確に記述する。

 例えば営業の場合ならば、

・1億ドルの売上目標だったが、120%達成した。
・A社と初めて契約することに成功し、20M$の売上をあげた。
・B社と販売代理店契約を締結し、初年度の売上50M$を達成した。

など、なるべく具体的な数字とともに貢献内容を書く。

 例えばプロジェクトマネージャーの場合は、

・C社のSIプロジェクトにおいて、プロジェクトマネージャーとして50人のメンバーのマネジメントと、顧客との良好なコミュニケーションとリレーションシップマネジメントにより、要件定義フェイズをプランどおりに完了させ、30M$のRevenue(収益)に貢献した。

というようにだ。