少しずつ国内でもメジャーになってきた新エンゲージメント率

 旧エンゲージメント率と違って、一見合理的な指標で、実際使い勝手も良いのですが、意外な落とし穴もあります。

 そこで今回は、新旧エンゲージメント率の違いを振り返り、FacebookのKPIをどのように組み立てればいいのか、改めて考えます。

    ■目次
     1. 新旧エンゲージメント率対決は新の圧勝?
       ‐新エンゲージメント率は本当のエンゲージメントを計る
     2. 新エンゲージメント率にも決定的な欠陥が?
       ‐落とし穴は「親密度」と「重み」にひそむ
       ‐投稿は親密度の高い順にリーチする
     3. 状況に合わせ、こんなKPIを!
       ‐リーチ率
       ‐アクション率

新旧エンゲージメント率対決は新の圧勝?

 おさらいすると、旧来のエンゲージメント率(以下、「旧エンゲージメント率」)は、以下のような計算式で求められていました。

 <(投稿に付いた「いいね!」数+コメント数+シェア数)÷ページの総ファン数>

 旧エンゲージメント率は、実際にリーチがあまり生まれなくても、分母は常に一定の総ファン数(=ページへの「いいね!」数)になってしまいます。これは、投稿への反応の割合を出すために、実際に投稿が届いている人の数(=リーチ数)に関わらず、一定の数で割るということになってしまいます。

 例えば、ファン数1万人のページを考えてみましょう。リーチが2000で、投稿への「いいね!」が100付いた投稿Aがあるとします。すると、旧エンゲージメント率は以下のように算出されます。

 <投稿Aの旧エンゲージメント率:100÷10000=1%>

 次に、リーチは1000で投稿へのいいね!が50ついた投稿の旧エンゲージメント率を算出してみましょう。

 <投稿Bの旧エンゲージメント率:50÷10000=0.5%>

 実に2倍の差がつくわけです。

 さて、上記2つの投稿を新エンゲージメント率で考えてみましょう。

 <投稿Aの新エンゲージメント率:100÷2000=5%>

 <投稿Bの新エンゲージメント率:50÷1000=5%>

 なんと、同じ率になってしまいます。実際にリーチした人しか反応できないのは当然なので、新旧どちらが合理的な算出法かは一目瞭然ですね。