NTT東日本は、光アクセスサービス用の小型ONU(回線終端装置)の開発および提供に関する報道発表を2014年7月28日に行った(発表資料)。発表概要は「NTT東日本は、各種端末に一体化・内蔵が可能な小型ONUの開発を進めており、そのインタフェース仕様などを開示する」というものである。様々な事業者・端末メーカーからの光につながる独自端末を開発したい、あるいは各種端末を光につなげたいといった要望に応えるためという。今後はONUの実装が可能な端末を多くの事業者・端末メーカーに開発してもらえるようにする狙いで、そのインタフェース仕様などの公開を決めた。

写真1
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 提供する小型ONU(写真1)は、通信機器に接続する光トランシーバの規格として広く普及している「SFP+」に基づく。8月28日には詳細な仕様も公開された(小型ONUのページ)。小型ONUの提供は2015年6月を予定しており、仕様を満たす端末も2015年6月以降に順次公開を予定している。対応端末となるための必要な手続きについても、確定次第公開することにしている。小型ONUの提供形態など詳細については、関心を示した事業者やメーカーのニーズなどを把握したうえで決めていく予定で、現在はまだ未定という。

装置ではなくモジュールを提供

 今回提供する小型ONUは、装置ではなく機器に差し込んで使う一種のモジュールのようなものである。提供形態としてまず想定されるのは、このモジュールを差し込むスペース(モジュール対応のインタフェース)を用意した機器をメーカーが開発し、例えばその機器の購入者が光コンセントを装備した住宅に住む場合はNTT東日本からこの小型ONUと曲げフリー光ファイバコードが一緒になって封筒で届くといったイメージである。購入者は、ONUモジュールを差し込み配線をセットすれば準備完了である。

 このモジュールを前提にすると、テレビや無線LANルーターなど様々な装置で、ONUを内蔵でき電力線の配線レス化を図った自社デザインの機器を用意できる。ONUモジュールは非常に小型であることに加え、消費電力も最大1.5Wと小さい。各種機器に内蔵しても、デザインへの影響は小さく、消費電力もそれほどの増加にはならない。USB給電も可能であり、例えばデジタルサイネージに向けに、デザイン性に富み、サイネージ本体からのUSB給電で稼働する、ONUモジュールを組み込んだONU装置を実現できる。少なくとも、現在NTT東日本が提供するONU装置よりはずっと変化に富んだデザインのボックスを、サイネージの設置環境に合わせて用意できるだろう。

 メーカーや事業者のニーズ次第ではあるが、例えばONUモジュールの配布をメーカーに依頼することも考えられそうだ。つまり、購入した機器と一緒にONUと曲げフリー光ファイバコードが一緒に梱包されているイメージだ。