イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)は、米Icontrol Networksのスマートホーム・システム「タッチストーン(Touchstone)」の導入に合意し、スマートホームサービスの提供を2015年2月に開始すると発表した。ブロードバンドに接続されたゲートウエイ(ホームコントローラー)を介して、宅内に設置する様々なデバイスを制御する。当初は、「ドア・窓センサー」や「モーションセンサー」などの提供から始める。さらにこれらセンサーと連動して映像を記録する「IPカメラ」を一緒に提供、IPカメラの映像は外出中でもスマホなどに届く。来春以降には、電子錠や赤外線リモコンなどの導入も計画している。将来的には、ヘルスケアやエネルギーマネージメントなどサービス分野を広げていく予定(http://www.itscom.net/service/smart/intelligenthome.html)。グループ企業である東急セキュリティとの協業による警備員の駆けつけサービスの提供も検討を始めている。この事業を準備してきたスマートホーム推進室長の平岡陽一氏に、今回の取り組みについて聞いた。

(聞き手は本誌編集長、田中正晴)

今回の提携のきっかけは。

平岡 2013年6月のCable Show 2013(主催はNCTA)に行ったとき、スマートホームあるいはコネクテッドホームがホットな話題と感じた。帰国して社内で報告した結果、チャレンジすることとなった。そこで7月に、既にこのサービスを提供している米Comcastを訪問し、米Icontrol Networksが重要な役割を果たしていることを知り紹介してもらった。9月5日に同社を訪問し、協議がスタートした。社内的には、特命プロジェクトとしてスタートし、2014年4月にはスマートホーム推進室を設置、動きを加速させた。そして初訪問からちょうど1年たった2014年9月5日に、Icontrol社との調印に至った。この間毎月のように渡米し、短期間でここまでこぎつけた。このスピード感は、イッツコムの強みだ。

今回のスマートホーム事業を、ケーブルテレビ事業成長の第4の柱と位置づけている。

平岡 我々はトリプルプレーに続くサービスを模索しており様々なチャンレンジを試みているが、トリプルプレーの延長線上で展開できることが理想的だと考える。また、北米ではComcast社だけでなく米Time Warner CableやカナダRogers Communicationsなどが、実際に第4のサービスとして展開しているという事実がある。まさにこれだと考えた。

 北米においては、このサービスを利用するために、ケーブルテレビに加入するケースが増えているという。つまり、それだけ新規加入獲得のフックになっているということだ。このシステムはOTTサービスとしての展開も可能であり、国内導入時にはイッツコムユーザー以外にも紹介していきたい。