ケイ・オプティコム(ケイオプ)は1月7日、関西地区で展開するeo光ネットの利用者に向けて、電力小売サービス「eo電気」のセット提供を4月1日に開始すると発表した。割安な料金を設定するだけでなく、eo電気スタート割を導入したり事務手数料、解約精算金が無料になるキャンペーンを実施、契約獲得に向けてスタートダッシュを図る。eo電気や、同社のMVNOサービス「mineo」の指揮をとる取締役の橘俊郎氏に聞いた。

(聞き手は本誌編集長、田中正晴)

eo電気を提供すると決めた理由は。

 我々は、「生活インフラをすべて弊社にお任せください」という形にしたいと考えている。生活インフラとして電気は欠かせないアイテムである。これまでのネット・電話・テレビに加え、一昨年には全国で携帯電話サービスを開始した。さらに、電気を加えてライフラインに関わるサービスをセットで提供することが価値になると考えた。

生活インフラという意味ではガスも入るのか。

 1年後にはガスの自由化を控えるので、早期に検討を開始したいと考えている。

eo電気の特徴は。

 大きく三つある。まずは、安価であること。電気の使用量によらず単価を一定にしているので、特に電気使用量の多い家庭ほどおトク率が拡大する。次に、契約事務手数料や解約精算金を無料として、いつでも気軽に試し利用できるようにした。さらに、ケイオプは社外の利用者満足度評価で幾度もNo.1をいただいていることや、関西電力の100%子会社であることなどから、利用者にはサービスや提供会社に対して安心と信頼感を持っていただけることである。

 顧客サポートもしっかりと体制を整備した。eo光とは別に専属のコールセンターを立ち上げ、電気のサポートができるように特別な教育を実施、利用者の様々な疑問などに答えられる準備をした。

他社では一部で関西限定のキャンペーンを用意するほど安価な設定だが、採算性は。

 当然、電気で収支を合わせる必要があると考えている。原価割れしてまで提供しようとは考えていない。一方で、我々としては、ライフラインを提供する上で電気は欠くことができないと考えており、覚悟を決めて競争力のある料金を設定した。確かに電気事業は、利幅の小さい事業であり、一定以上の規模を確保してようやく黒字化できる。そういう意味で、相当に頑張って今回の料金体系を決めた。

eo光の顧客基盤を守るという目的もあるのか。

 いろいろな見方はあると思うが、eo光自体、強い競争力がある。電気の勝ち負けで光の勝ち負けが左右されるとは思っていない。eo光やmineoと同様に、eo電気も単独で競争力があり利用者に支持される商品を仕上げることを目標にした。