展示会としてのCES2015(図1)は、テレビはもはや主役の座をクルマ、IoTなどに譲りわたしたと見るべきだ。そんなテレビの世界では、4Kはもう当たり前になったが、8Kテレビについては、本当に来るという確信は、CES会場内のどこにもなかった。

図1●来場者でにぎわうCES2015の会場
図1●来場者でにぎわうCES2015の会場
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 そこでメーカーからは次なる提案として、テレビに関して二つの方向性が示された。一つはHDR(ハイダイナミックレンジ)や色空間表現のような、映像表示装置としてのテレビの原点に戻った部分と、もう一つはいまだままならない、いわば第二世代とも言える「スマートなテレビ」の実現のための新OSの採用だ。前者は従来どおりの高画質化の取り組みであり、粛々と継続するだけのことであるのだが、後者がどうなっていくのかは、まだ道筋が見えていない。