多くの人がデータの持ち運びに使っているUSBメモリーや外付けハードディスクにも、情報流出の危険性がある。日本ネットワークセキュリティ協会が、約2万人を調査した結果によると、2012年には全体の2.9%の人がUSBメモリーなどの紛失・盗難に遭っている。

 最近のUSBメモリーや外付けハードディスクは容量が大きいので、紛失時の損害も大きい。もし無くしても拾った人に悪用されないよう、大事なデータは必ず暗号化しよう。

BitLockerで全体を暗号化

 暗号化にはソフトウエア暗号化とハードウエア暗号化がある(図1)。

●CPUによるソフトウエア暗号化と専用チップで行うハードウエア暗号化
●CPUによるソフトウエア暗号化と専用チップで行うハードウエア暗号化
図1 外付けハードディスクやUSBメモリーの暗号化には、ソフトとハードの2方式がある。ソフトウエア暗号化はCPUで暗号化処理をするので、どんなストレージでも使えるがCPUに負荷が掛かる。ハードウエア暗号化はパソコンに負荷が掛からないが、製品が少し高価になる
[画像のクリックで拡大表示]

 まずソフトウエア暗号化の方法を見て行く。「EFS」は、ファイルやフォルダー単位のソフトウエア暗号化だ。一方、USBメモリーなどの場合は、ドライブ全体を暗号化するのがお勧め。これなら、保存したファイルを自動的に全て暗号化できる。

 ここではまず、Windows 8.1 Pro、Windows 7 Ultimate、同Enterpriseが標準で備えている暗号化の機能「BitLocker」を紹介する。USBメモリーを例に紹介するが、外付けハードディスクでも操作は同じだ。