2014年11月14日にFacebookが、2015年1月にアルゴリズム変更する予定であることを発表した。この変更は、多くの企業にとって、Facebookページの位置付けとその役割を見直すきっかけとなると予測している。それだけではなく、自分たちの企業のソーシャルメディアマーケティングの方向性のほか、予算やリソース配分までを含めて再検討しなくてはならないケースもあるはずだ。

 今回のアルゴリズム変更における大きな点は、Facebookページから投稿される宣伝的なメッセージを伴うオーガニック投稿(有償の広告ではない投稿)の、ニュースフィードでの表示を減らすというものだ。例えば商品の購入やアプリのインストールなどを求めるだけの投稿のほか、投稿内容とは直接関連性のないプロモーションページに誘い込む投稿、そして広告として配信されている投稿の内容を流用した投稿など、ユーザー調査で不満が高かった投稿を対象とするという。

 これまでFacebookは2014年の4月と8月に2回、「いいね!」や自社サイトへの誘導の増加だけを狙う投稿の表示を減らすと発表してきた。今回の変更で、企業による宣伝的なオーガニック投稿は、ユーザーのニュースフィードで表示されにくくなることが確実となってくる。少なくとも、今後はFacebookを「コスト(広告宣伝費)をかけずに情報を広範囲に拡げるツール」として位置付けるのは、得策ではなくなるだろう。

 こういった流れは、以前からたびたび指摘されてきた。「social@Ogilvy」が106カ国を対象に実施した調査では、企業ブランドの運営しているFacebookページのオーガニックリーチは、2013年10月ごろを境に激減したと言われている(関連記事:Facebookページのリーチ低下とネイティブ広告の重要性)。この調査では2014年2月時点で、企業が運営しているFacebookページ全体のオーガニックリーチの平均値は約6.2%であるとした。さらに5万人以上のファンを持つFacebookページの場合は、それが2%台にまで落ち込んでいると報告した。