2014年も残すところ2カ月あまりとなった。年末が近付いてくると、色々なところで「今年1年の総括」や「来年の展望」について語られた記事を見かけるようになる。米eMarketer社も、早速2015年のソーシャルメディアマーケティングのトレンドを予測するレポートを発表した。

 そのレポートでは、2015年の米国のソーシャルメディアマーケティングで八つのトレンドを提唱している。1点目は「企業のソーシャルメディア広告に対する予算が増額される」というもの。少なくとも広告費の約15%がソーシャルメディア広告に使われ、さらにその3分の2程度がFacebookに対して使われると予測されている。

 続いて「ソーシャルメディアが、今まで以上によりマーケティング戦略に統合されていく」というもの。単にソーシャルメディア施策が、他のマーケティング関連施策と融合していくだけではなく、運営体制にまで及ぶと見られている。つまりこれまで他の組織から独立していることが多かった「ソーシャルメディア専任部門」が徐々に姿を消し、マーケティング組織の中の一つの機能として組み込まれていくというものだ。

 これはソーシャルメディアが、企業のマーケティング戦略にとって欠かせないものとして認知されたことを示している。専任担当者に限らず、マーケティング業務に携わる人間は、何らかの形でソーシャルメディアを使いこなしていくことが求められているのだ。

 この動きに関連しているが、3点目は「ソーシャルメディアは、コンテンツを配信し、拡げていくためのチャネルの一部として位置付けられる」というもの。これまでのソーシャルメディアは、どちらかと言えば「エンゲージメント構築」に代表されるように、企業が消費者とインタラクティブにやり取りするチャネルとして位置付けられることが多かった。

 しかし、それがビジネスに対して想定したほどインパクトを与えなかったせいか、これまでのソーシャルメディアの位置付けを改める企業が増えてきている。例えばモバイルユーザーに対する広告媒体やコンテンツ提供手段としての活用が、盛んになってくるだろう。