前回、企業のモバイル方面へのマーケティング戦略で、モバイルユーザーのデバイス利用時間の大半を占めるFacebookを、活用する技量が問われていることについて述べた。こうした動きは実際のところ、Facebook広告市場を活発なものにしている。

 マーケティング・コミュニケーション戦略の中で、積極的にモバイル方面にアプローチしたいと考える広告主は少なくない。こうした広告主たちには、ソーシャルメディアへの広告出稿が効果的な一つの手段として確立し始めているといってよいだろう。

 それを裏付けるデータが、2014年初めに米国の調査会社BIA/Kelseyの発表内容にも顕著に表れている。同社は、米国のネイティブ広告(メディアやサービスに自然になじむデザインや機能で表示される広告)の市場規模は2012年に約16億ドルであるのに対し、2017年には約3倍の46億ドルほどに跳ね上がると予測している。Facebook広告の伸びが、このネイティブ広告市場の拡大に大きな影響を与えていると考えていいだろう。

 そういった点を踏まえると、企業のマーケティング・コミュニケーション戦略においてFacebookをはじめとしたSNSは、「自分たちでアカウントを開設して、消費者とコミュニケーションを取る場」という位置付けだけでは不十分だ。今後はSNSを「広告媒体」として活用していくかを含め、再整理することが急務となる。

 では「広告媒体」としてのSNSのポテンシャルはどの程度だろうか。ソーシャルメディア広告が企業のマーケティング活動にもたらすインパクトが分かるデータが2014年8月に発表された。