デジタルマーケティング領域では毎年「今年はモバイルの年になる」と言われ続けている。だが、実際のところモバイルを取り巻く状況は、どうなっているのだろう。

 米イーマーケターが先月発表した「Global Mobile Landscape 2015」というリポートによると、現在全世界に約44億人いる携帯電話ユーザーは、今後も増え続け、2019年には50億人を突破するとのこと。これは全世界の人口の約3分の2(67%)に相当する数字だ。また、スマートフォンユーザーも、引き続き増加すると見られており、2018年には全携帯電話ユーザーの過半数を占め、翌2019年には25億人を超えると予測されている。簡単に言えば、全世界の3人に1人はスマートフォンユーザーになるということだ。

 日本に関していえば、現在携帯電話ユーザーが約1億人。全人口に対する携帯電話普及率は、アジア太平洋地域の中でも最も高く、既に人口の80%以上に達している。そのため、今後の伸びは非常に緩やかであることが予想されており、2019年にようやく85%を超えるという予測となっている。

 しかし、携帯電話ユーザーに対するスマートフォンの浸透率となると、他国と比して決して高いとは言えない数字になっている。現在、日本におけるスマートフォンの浸透率は、全携帯電話ユーザーの半数弱程度となっており、来年2016年にようやく過半数を超え、52%程度になると予測されている。以降、スマートフォンの浸透率は引き続き伸びるものの、2019年で58%と、それほど急激な伸びを見せているわけではない。既にスマートフォン浸透率が携帯電話ユーザーの80%以上に達しているシンガポールや韓国、まもなく80%を超えると予測されているオーストラリアと比較すると、その差は大きいと言えるだろう。