2~3年ほど前から、海外での取り組みが紹介されることで、日本でも徐々に語られる機会が増えた「マーケティングオートメーション」。先週、米調査会社eMarketer(イーマーケッター)が発表したレポートによれば、今年を境に、これまで以上に広く企業に普及し始めそうだ。

 イーマーケッターの定義によれば、マーケティングオートメーションとは「キャンペーン管理や顧客セグメンテーションに加え、見込み客の発掘と育成を含む、多様なチャネルに対するマーケティング活動の効率化、および成果に至るまでの数々のステップの自動化を行うためのソフトウエアプラットフォームおよびテクノロジー」とされている。この関連市場は、今後年平均8.6%の成長率を見せ、2019年には2014年の1.5倍の規模、金額にして約55億ドル(約6550億円)にまで成長すると予測されている。

 実際、米国では既に45%の企業が何らかの形でマーケティングオートメーションに取り組んでいるという結果になっており、さらに今年中に新たにマーケティングオートメーションに取り組むことを計画している企業を合わせると、全体で60%を超えるほど勢いが増している。今年度に企業が計上しているマーケティングオートメーション関連予算も大幅な増加傾向にあり、対前年比25%から50%程度の増額となっている企業が約半数を超えている。

 このように増額された予算に対するリターンとして企業、とくに経営幹部から期待されているのが「キャンペーン効果の向上および効率化」で約70%と最も多い。次に「見込み顧客の発掘や事業機会の創出における質と量の向上」「組織の生産性や信頼性の向上」、さらに「マーケティング組織や、その取り組みに対する社内的認知の向上」といったものが続く。

 マーケティング活動に対して、売り上げや見込み顧客、そして事業機会など、数字に直結する結果が強く求められるようになってきた昨今、マーケティングオートメーションを実現するツールやシステムに対する期待は大きい。