Q:IoTで良い提案ができず悩んでいます

 お客様の悩みが弊社では差別化が図れない分野なので、良い提案ができずリレーション作りの面で悩んでいます。お客様のITに関する希望が金銭的な面や技術的な面で実現できないものが多いのです。

 日本のIoT(モノのインターネット)はまだまだ遅れていると考えていますが、だからといって自分は何ができるか分かりません。IoTに関して自分の会社がどういう立ち位置にいて、今後どんな強みを発揮するのかがよく分からないのです。

(年齢:20代、女性、外資系ベンダー営業)

A:「木を見て森も見る」を実践すると説明するべきことが見えてきます。

 このたび、前回から2年半ぶりに「悩むなら聞け」を復活することになりました。

 この間、IoT、FinTech、人工知能、ロボットなどの新たな潮流が本格化し、それらに伴う企業の買収や栄枯盛衰でIT業界もめまぐるしく変化しています。この急激な変化に必死に対応している現場の人々の悩みに、私の30年を超える経験を踏まえ応えていくことで、少しでも皆様のお役に立てればと願っています。

 さて今回のご相談についてですが、新たなITの潮流への対応に若手営業が悩むのは今に始まったことではありません。歴史をさかのぼれば、大型汎用機からのダウンサイジング、クライアント/サーバー、インターネットなど様々な変化があり、そのたびに現場は悩みながら対応していったのです。

 ただしIoTは、スマートデバイスや人工知能の発展に伴い、全体最適化、個別機能の自律化という面で産業や社会インフラを巻き込んでいくものですから、これまでにない大きな変化を社会にもたらします。

 このような大きな変化に対応するには、「木を見て森も見る」ことが重要になります(図1)。

図1●木を見て森も見る
図1●木を見て森も見る
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