UQコミュニケーションズは2016年12月22日、WiMAX 2+サービスについて、これまで「3日で3GB」を利用した際に課してきた速度制限について、2017年2月より仕様変更することを発表した。

 UQはこの「3日で3GB」の速度制限を2015年4月に導入したものの、広告表記や販売現場での説明を巡って混乱が発生。ユーザーからの批判が相次ぎ「炎上」した経緯がある(関連記事:なぜWiMAX 2+は速度制限の実施で「炎上」したのか)。今回の緩和の意図はどのようなものなのか、UQへの取材を基に読み解いていく。

2015年からの暫定運用を踏まえて速度制限を見直し

 2015年4月、WiMAX 2+サービスに「3日で3GB」制限を導入したUQは、その約3カ月後の7月に速度制限を暫定的に緩和。「YouTubeの標準画質が見られる程度」としていた制限中の速度を「YouTubeのHD画質」へと引き上げた。そこから1年以上に及んだ暫定運用を踏まえ、今回の発表で速度制限の見直しを発表、2017年2月2日より適用するとした(写真1)。

写真1●UQが発表した見直し内容(2017年2月2日から適用)
写真1●UQが発表した見直し内容(2017年2月2日から適用)
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 見直し内容は、以下の3点だ。1点目は、これまで「3日で3GB」だった速度制限のトリガーが「3日で10GB」へと緩和された。2点目は、速度制限の時間が、混雑時間帯(午後6時ごろ〜翌午前2時ごろ)のみへと短縮された。3点目として速度制限を「概ね1Mbps」という具体的な数値に変更した。

 これら3点を順番に見ていこう。まず1点目の「3日で10GB」への変更は全てのユーザーにうれしい点だ。1日に3GB以上使える計算になり、速度制限がかかるケースは確実に減りそうだ。UQが挙げたYouTube動画の例では、高画質(HD)で13時間視聴できるという。毎晩自宅で1〜2本の映画を鑑賞しても耐えられる水準だ。

 速度制限を避けて3日で10GBずつ使用した場合、UQは月間100GBの利用が可能と説明している。また、3日間で10GBを超えてもただちに制限が始まるわけではない。これを利用して、1日に20GBや30GBといった大量の通信をすることもできる。使い方次第で非常に大容量の通信ができるという特徴は従来通りだ。

昼間時間帯は完全無制限になる一方、速度制限は1Mbpsに「下落」

 2点目も、大きな緩和だ。これまでの速度制限は翌日午後1時ごろから24時間に渡るものだったが、今回の見直しでは翌日午後6時ごろから午前2時ごろまで、約8時間のみの制限になった。