米グーグルが提供するデータ分析のクラウドサービス「BigQuery」の不明確な料金基準に、利用者が困惑している。2016年11月29日に開催されたGoogle Cloud Platform(GCP)のユーザー会では、「同じ処理でも利用料が変わることがある」「処理を実行してみないと利用料が分からない」といったBigQuery利用者の発言が相次いだ。

Google Cloud Platform(GCP)のユーザー会の様子
Google Cloud Platform(GCP)のユーザー会の様子
(2016年11月29日、東京・千代田)
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2017年1月1日から全ユーザーに新料金体系

 BigQueryは数Tバイトのビッグデータを数秒で解析できるデータ分析基盤。データテーブルを読み込むとシステムが自動でデータを分散保存し、利用者は保存されたデータを高速に検索・加工・出力できる。BigQueryは競合サービスの少なさや、処理データ量1Tバイト当たり5ドル(毎月1Tバイトまでは無料)という安価な値付けが奏功し、ビッグデータ分析用途などで人気を得ている。

 ここに来てユーザー会で利用料が話題が上がるのは、2017年1月1日から新しい料金体系が適用されるためだ。実は2016年1月1日以降にBigQueryを新たに使い始めた利用者はその時点から新料金が適用されているが、2011年11月にサービスが開始されているため、多くのユーザーは2017年1月1日から新料金が適用されると見られる。

 新料金体系では処理内容が複雑になってクラウドサービスの計算リソースを大量に使うようになると、料金が2倍、3倍に高まる。具体的には、データ処理の複雑さを表す整数値「BillingTier」が倍数となる。

2017年1月1日から全ての利用者に適用される新料金体系の概要。BillingTierが追加されたことがポイントだ
2017年1月1日から全ての利用者に適用される新料金体系の概要。BillingTierが追加されたことがポイントだ
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 だが、どういった処理をどの程度実行するとBillingTierが「2」になったり「3」になったりするかという基準は不明確なままだ。基準についてグーグルは「詳細は公開していない」(広報)とする。