企業にとって、2015年はマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)対応の本番期となる。企業におけるマイナンバー対応を支援する支援サービスが相次ぎ登場している。

マイナンバーの申請や管理を支援

 野村総合研究所(NRI)は2014年11月、「マイナンバー登録・管理サービス」の提供を開始。社内の体制整備に関するコンサルティングや、企業の顧客や従業員から提供を受けたマイナンバーと口座番号や社員番号などとひも付けて管理するサービスを提供する。

 富士通マーケティングは同年12月、既存の人事・給与システムへのアドオンシステム「アドオンマイナンバーシステム」を発表。マイナンバーの申請・収集・保管や申告帳票の出力を支援するもので、マイナンバー対応支援サービスとともに提供する。

 クラウド型人事給与サービスを提供するラクラスも同月、クラウドによる「マイナンバー管理サービス」を発表した。

 きっかけとなったのは、マイナンバー制度を所管する特定個人情報保護委員会の「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」。マイナンバーを含む特定個人情報の安全管理措置や利用・提供制限に関する規定を示したもので、パブリックコメントを経て2014年12月に公表された。

 ガイドラインに添付された安全管理措置では、物理的安全管理措置として、ICカードやナンバーキーによる入退室管理システムの設置など「入退室管理及び管理区域へ持ち込む機器等の制限」といった例示がある。一方で、従業員が100人以下の中小規模事業者向けに、大規模事業者よりも簡易な方法を示している。

2015年中の体制整備が不可欠

 マイナンバーの利用が始まるのは2016年1月。2015年10月には住民票を持つ個人に対し、自治体がマイナンバーの通知を開始する。2016年1月以降は、全ての企業が従業員の退職や給与支払いに伴う源泉徴収票など、税や社会保障の手続きにマイナンバーを記載しなければならない。