企業内の従業員同士が使うチャットツールに、「HR(ヒューマンリソース)テック」機能が搭載され始めた。HRテックは、人材の活用や発掘にITを導入して、人事や働き方を改善する取り組みである。

 チャットツールのHRテック機能は、従業員のやる気やコミュニケーションの頻度の可視化に使われる。離職しそうな従業員を見つけたり、新入社員の指導方法を改善したりできる。

 システム開発のテンダは2016年9月30日、提供するチャットツール「TEんWA」にチャットの回数や時間、やり取りの多い相手従業員を教えてくれる「パーソナル分析(ダッシュボード)機能」を搭載した。

テンダの提供するチャットツール「TEんWA」が搭載するパーソナル分析機能の利用画面
テンダの提供するチャットツール「TEんWA」が搭載するパーソナル分析機能の利用画面
出所:テンダ
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 同社の林貢正取締役は「従業員のメンタルヘルスケア管理に役立てられる」と説明する。普段のチャットの回数や時間と比較して変化が無いかを確認できる。「チャット回数が減ってきた場合などに、従業員のやる気が落ちていないかなどを調べられる」と林取締役は説明する。

 トークノートは11月24日、従業員のチャットの履歴データを分析して、コミュニケーション頻度を定量的に表示できる機能「コミュニケーションラインモニタリング」を、同社の企業向けチャットツール「Talknote」に追加した。

 追加したのは、上司と部下、従業員同士で、どれくらいの頻度でやり取りをしているかを分析できる機能だ。例えば、他部門とコミュニケーションの頻度が多い従業員は「社交性が高い」などと判断できるという。