日本IBMは2017年3月までに、IoT(インターネット・オブ・シングズ)向け無線通信規格の一つである「LoRaWAN(ローラワン)」関連サービスを始める。製造業やインフラ関連企業向けに、従来の通信技術ではカバーしにくい設備・機器をつなぐシステムの提供を目指す。

写真1●米セムテックのLoRaWAN用通信チップ
写真1●米セムテックのLoRaWAN用通信チップ
(出所:セムテック・ジャパン)

 LoRaWANは米IBMと半導体メーカーの米セムテックが共同開発した規格である。IBMは主に通信管理サーバーのソフトウエア、セムテックは通信チップを担当している。IBMは既に米欧ではLoRaWAN技術を軸にしたシステム販売中。2016年秋になって日本におけるLoRaWAN用周波数の割り当てが固まったことから、国内での展開を本格化する。

 日本IBMは国内での事業展開に当たって、2016年12月までに7社と協業体制を整えた。セムテック・ジャパンに加え、ネットワーク構築については菱電商事や沖電気工業と協業。IoT機器分野では東京エレクトロンデバイスや、消費者向けデジタル機器メーカーのグリーンハウス(東京・渋谷)、機器ベンチャーのBraveridge(福岡市)と組む。水道・ガスメーター大手のアズビル金門(東京・豊島)とは実地での適用で協業する。