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ニュース解説

PEZY社長逮捕、スパコンの旗手に何が起きたのか (3/3)

浅川 直輝=日経コンピュータ 2017/12/07 日経コンピュータ

どのような不正があったのか

 不正受給の詳細については特捜部からのリークとみられる様々な報道が飛び交っているが、代表的なものに「NEDO助成金で開発したメモリー技術がスパコンに使われなかった」と「実態のない外注費を水増しした」の2点がある。

 このうち前者は、特捜部が動くほどの容疑とは考えにくい。NEDOの審査業務に詳しい関係者は「NEDOは研究開発の助成なので、開発が予定通りに行かないこともある。その場合は事前に協議してゴールを調整することも普通にある」と語る。

 後者は外注費の申告そのものに虚偽があったというものだ。経費を水増しして受給した助成金を、PEZYグループが別の研究開発に使ったか、あるいは経費の支払いを通じて第三者に流れたか。後者の場合、特捜部の狙いは資金が流れた「先」である可能性がある。

 ただNEDOは助成対象の経費について審査が厳しいことで知られ、数億円もの水増しは簡単ではないとの見方がある。一方で「業務の再委託と比べ、外注費は審査がやや緩い傾向がある」(関係者)との証言もあり、この点はNEDOの審査体制が問われるところだ。

 PEZY ComputingはNEDOの助成金に加え、複数のグループ企業を通じて出資を受けてスパコンを製造していた。理化学研究所や高エネルギー加速器研究機構(KEK)に設置したスパコンは、PEZYグループが保有し、理研やKEKに共同研究費を渡して運用を委託している。

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)に設置され、2017年11月のスパコン演算性能ランキング「TOP500」で世界4位となった暁光は、PEZYグループが保有し、かつ運用も同グループが手掛けている。暁光の製造費は70~80億円とみられるが、科学技術振興機構(JST)の助成金では足りず、PEZYグループも出資金から製造費を拠出しているという。

 PEZY Computingは自社プロセッサを搭載したスパコンの外販にはこだわらず、グループ企業のExaScalerが開発した液浸冷却装置の販売で収益を得る考えだった。「既に液浸冷却装置の大口販売先が決まっていた」と、2017年11月の取材で齊藤氏は語っていた。

 ベンチャーながらTOP500で世界4位、省エネ性能の「Green500」でも上位独占という成果を出したPEZYグループ。齊藤氏が本当に不正をしていたか否かは、今後の捜査や裁判を経ないと分からない。ただ、創業者の逮捕や勾留の影響でPEZYグループが蓄積してきた技術資産を散逸させるのは余りにもったいない。事業や資産を生かす方策を探るべきだろう。

■変更履歴
NEDOが交付を決めた助成金のうち(1)平成22年度イノベーション推進事業について、当初記事は助成期間を2000年度~2001年度としていましたが、2010年度~2011年度の誤りです。お詫びして訂正します。 [2017/12/09 7:30]

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