空き部屋の個人間の貸し借りを仲介するサービスを運営する米エアビーアンドビーが、日本事業を加速する(画面)。同社サービス「Airbnb」による経済波及効果を年額2219億円と試算。日本の観光業に貢献していることをアピールし、サービス普及につなげる。規制緩和や法改正の気運を高めるため、政府や規制当局への働きかけも強化する。ベンチャー企業による物件代行サービスも広がりを見せ始めた。政府や自治体の民泊解禁に向けた議論を追い風に、サービス普及を図る。

画面●今夏は世界で1700万人が宿泊した(AirbnbのWebサイト)
画面●今夏は世界で1700万人が宿泊した(AirbnbのWebサイト)
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 Airbnb利用者の宿泊や食事、買い物などによる経済波及効果は年額で2219億9000万円、雇用に対する波及効果は2万1800人、Airbnbで日本を訪れる人は年間52万5000人で前年比5倍以上に――。エアビーアンドビーは同社サービスの日本における経済効果を初めて調査。その結果を2015年11月26日に公開した。

 Airbnbは宿泊施設を貸したい利用者である「ホスト」と借り手である「ゲスト」を、ネット経由でマッチングするサービスだ。ホストは貸し出す物件の間取りや写真、貸し出せる日程、宿泊料金などを同サイトに登録する。借り手であるゲストは物件を同サイトで検索・閲覧し、気に入った物件を借りて、同サイト経由で宿泊料金を支払う。運営会社であるエアビーアンドビーはホストとゲストの双方から、宿泊料金の数%を手数料として徴収する。

 調査は早稲田大学ビジネススクールの根来龍之教授と協力して実施した。ホストが得た収入額と、それに基づいてホストが実施した消費の金額、そしてゲストが買い物や飲食に使った消費額などを調べた。